声明】 自衛隊の違憲・違法な国民監視活動に抗議し、直ちに中止を求める



 このほど明らかにされた、自衛隊の「情報保全隊」による、違憲・違法な国民監視活動に対し、「憲法が保障する集会・結社の自由や表現の自由、プライバシー権を脅かす許しがたい行為」として、多くのメディアは批判を投げかけている。
 強大な軍事力を持つ武力集団である自衛隊が、国民の行動への監視活動をおこなうこと自体が、憲法違反の威圧行為に他ならない。こうした違法な市民監視の活動と、本行為を「自衛隊として当然」と開き直る久間防衛大臣に対して、私たちは怒りをもって抗議する。
 報道によると、「情報保全隊」が反自衛隊活動とした監視対象は、国民生活向上のための諸要求に根ざした活動をはじめ、映画監督、画家、写真家、ジャーナリスト、文化活動などあらゆる分野におよんでいる。とりわけ文学創造にたずさわる私たちは、秋田市内で開かれた小林多喜二の生誕百年記念展示会の監視をおこなっていたことに対しては、多喜二が特高警察の拷問により虐殺された狂気の歴史を想起し、深い憤りをおぼえずにはいられない。
 自由にものが言えず、文学・芸術活動も弾圧を受けた、暗黒政治の復活につながる、国民監視、支配、抑圧の体制の強化を私たちは危惧し、自衛隊の違憲・違法な活動の即刻の中止とともに、国会の場における真相の究明と責任の追及を強く求めるものである。

     二〇〇七年六月二十四日

日本民主主義文学会常任幹事会  

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