声明】 六カ国協議再開合意を歓迎し、
    平和的・外交的解決による朝鮮半島の非核化の早期実現を求める


  
 中国外務省は十月三十一日、「六カ国が都合のよい近い時期に、六カ国協議を行うことで、合意した」と声明を発表した。私たちは、国連安保理決議が全会一致で求めた、六カ国協議への北朝鮮の即時無条件復帰と、平和的・外交的努力による問題の解決という、国際社会の総意に即した今回の合意を歓迎するものである。
 世界中の反対の声を無視して強行された北朝鮮の核実験は、絶対に許されない暴挙である。核兵器は残虐な兵器であり、北朝鮮がいかなる理由を持ち出そうとも、核保有国が広がることを到底容認はできない。北朝鮮はこれまで、「日朝平壌宣言」や、北朝鮮の非核化に関する「六カ国協議共同声明」などで、核兵器計画の放棄に自ら同意してきた。北朝鮮は、これらの約束を守り、直ちに核兵器とその開発計画を放棄すべきである。
 北朝鮮の核実験に対して先に国連安保理は、全会一致で制裁決議を採択した。この決議には、非軍事的措置に一致して取り組むとともに、緊張を激化させる各国の行動を抑制し、六カ国協議再開の外交的努力をすすめることが明記されている。ところがこうした努力を逆撫でするかのように、麻生外相は、日本も核兵器保有の「議論をしておくのは大事だ」と述べ、自民党中川政調会長にいたっては、核保有の「議論をおおいにしなくてはならない」などと発言している。日本が核武装を狙っているとの疑念を世界に与えかねないこれらの発言は、被爆国の政府の外交責任者、与党の政策責任者として断じて許されざるものである。
 同時に、政府・与党内では、戦争が日本に波及することを想定した、「周辺事態法」の適用が議論されている。しかしこのような軍事的対応優先の危険な発動は、北朝鮮との緊張を高めるだけであり、真の問題解決に結びつかないことは明白である。
 広島、長崎での悲惨な体験を持つ被爆国であり、憲法九条を有する私たちの国は、いま、核兵器を廃絶するための先頭に立ち、世界に向けて積極的役割を果たすことが何より求められている。日本民主主義文学会は、今回の六カ国協議再開の合意を歓迎し、粘り強い平和的・外交的努力によって、一日も早く、朝鮮半島の非核化が実現することを望むものである。
 
   二〇〇六年十一月二日
日本民主主義文学会常任幹事会  



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