「心さわぐ文学サロン」が、三月八日(土)午後、オンライン開催されました。この大会期最後の「文学サロン」でした。テーマは「子どもたちの成長と幸せを願う教育とは」、テキストは松本喜久夫『そこにある希望』(本の泉社・二〇二四年)、報告者は草薙秀一(文学会幹事)でした。参加者は一〇名で、この二年で最も少ない数でした。この企画のあり方、発展方向について真摯な検討が求められています。
報告者から、作品からは「子どもをいつくしむ心情」を豊かに読み取ることができ感動した。また、教育の大切さとともに「人間を育てる」ことの芸術性を強く感じたという感想を交えた報告がなされました。ただ、維新府政など教育行政に対する怒りがやや上滑りしてはいないか、という課題も提起されました。
参加者から、一般的に教育について論じるのではなく、この作品について論じようと提起があり、作品を軸にして多様な意見、感想が出されました。いずれも作品と報告を肯定的に受けとめ、深めようとするものでした。ただ、教育は身近なものであるにも拘わらず、なかなか分かりにくいという実態も指摘されました。
作者から、この作品は自分自身の経験を背景に、多くの現役の教師、保護者に取材し、何度も書き換えた思い出深い作品だ、これからも維新の悪政を告発する作品を書いていきたいとの決意が述べられました。
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