「批評を考える会」 <2018年7月> 


  第6回 創造・批評理論研究会の報告


 二十七回大会期では初めてとなる創造・批評理論研究会例会(通算で第6回)が、七月二十四日(火)午後六時三十分より、文学会事務所で行われました。谷本諭「『社会主義リアリズム』とは何だったのか」をめぐって≠テーマに岩渕剛さんが報告しました。参加者は九人。

 報告は、まず、谷本論考が「社会主義リアリズム」をどう解明したかについて、ソ連における「社会主義リアリズム」の導入、日本における受容について、多くの文献を紹介しながら述べました。その上でこれからの研究課題として、「社会主義リアリズム」以前のソビエト文学、それを積極的に受容した作家が生み出した作品、距離を置いた作家の作品、各国における「社会主義リアリズム」の受け止め方、日本における受容の歴史と展開などがあるとあげました。

 討論では、『宮本顕治文芸評論選集』第一巻あとがきで明らかにされたこと、宮本百合子が社会主義リアリズムをどう受け止めたか、スターリンの狡猾さ、「社会主義リアリズム」のなかで生み出された作品をどう見るか、など活発に発言が出されました。
今後のテーマの希望も出され、報告者と調整しながら日程を決めていくこととしました。
 
   (乙部宗徳) 

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