「啓開のトラロープ(上)」 北岡伸之 地下足袋を履いた右足を踏み出したとき、動かないはずの岩が、背丈ほどもある岩が動いた。 「自動車雲」 黒田健司 残業を終えて寮でカップラーメンを食べていると廊下の奥から携帯電話の呼び出し音が聞こえた。 「治ちゃん」 保坂和夫 戸籍係の窓口で働く坂田は、いつも課税課の治ちゃんと喫茶店にランチを食べに出かけていた。 「電界の海の灯台」 空猫時也 水希は、スマートフォンのゲームでモンスターやアイテムを得るために課金のボタンを押した。