「不知不識」 仙洞田一彦 スーパーをでたところで同じ団地のボヤ氏に会った。何を言ってもボヤキに聞こえるからつけた渾名だ。 「三分の一の権利」 黒田健司 外国人労働者ユニオンの書記長をしている響子は、スリランカ人の労働災害の相談を受けていた。 「こころの眼」 和合響子 転勤先の障碍児施設で、私は視覚障碍児二人、聴覚障碍児六人を担当することになった。 「道 行」 木曽ひかる 下請けで自動車の部品を造っていた守とさと子の夫婦は、借金の返済のためにヤミ金から五十万円を借りた。