「母の短剣」 能島龍三 知り合いがやっている「無料塾」を手伝っていた憲造は、孫娘からそこに通っていた蓮のことを相談される。 「花と空洞」 柴垣文子 実の姉ではないが、老いて東京で独り暮らす雪子に、わたしは「お姉さん、一緒に京都で暮らそう」と言う。 「こもれび」 希楽生代 保育士三年目の菜々美は、先輩の神田先生から仕事ぶりについていつも注意を受けていた。 「新たな朝」 松本喜久夫 三十七年間勤めた大阪市立小学校を退職した民子は、もうがんばり続ける生活はしたくないと思っていた。