「ねこファミリー」 須藤みゆき 私は正月明け早々、自分が住む雑居ビルの八十代の大家と五十代の息子の「8050」問題に向き合うことになった。 「柿の木」 渡部美次 工業高校を卒業して石油工場で働き始めた二郎は、学校で勉強してきた意味があったのか疑問に思っていた。 「茶 髪」 満吉栄吉 宮本は勤務する高校の職員室で、服装・頭髪を規制し生徒に従わせることに反対した。 「消えた池」 笠原 武 戦争が終った九月、真人は隣の集落の子どもたちとかくれんぼをして校舎の床下にもぐりこんだ。