「Jの子」 清水春衣 標高八〇〇bほどの高原の畑。働く人々の声に耳をすますと外国のプランテーションに紛れ込んだようだった。 「忘れ物はありませんか」 黒田健司 コロナ禍で、わたしの働く旅行会社は業績が急速に悪化。進退を迫られるわたしに、突然父親の死が知らされた。 「天空米を食べにおいで」 竹内たかし 高田健三は東京の大森で食堂を開いていた。あるとき店の前で登校途中の子どもが車にはねられた。救護に力を尽くすが……。