「加担者A」 工藤勢津子
原発メーカーの技術者として働いてきた篤郎は、「俺の三十五年はなんだったのか」と思い煩う日々を
おくっていた。
「ある依頼」 風見梢太郎
研究所で秘密裏に活動している私は、党の会議で、転勤してきた外国帰りのYと連絡を取って欲しいと依頼された。
「消えない記憶」 仙洞田一彦
ウクライナをめぐるあふれる戦争報道のなかで、私は父母との葛藤を思い出すのだった。
「静寂の刻」 橘あおい
遼哉のPHSがひっきりなしに鳴る。入所者の椅子やベッドのセンサーが反応しているのだ。走り回る遼哉だが……。
「いのち輝いて」 松本喜久夫
八木早苗は短大卒業後、こだま作業所で働いている。今日は隣の府立支援学校から実習生が来る日だった。
「慟哭」 能島龍三
中澤敬三の孫で、十六歳になった茉莉が不登校になったのは敬三の不用意な一言が原因だった。
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