「別 離」 石井建仁
六年生になった和夫は本校に通うようになった。始業式の日、粗末な長屋から出てきた一人の少年と出会い親しくなった。
「ささえる」 かがわ直子
後期高齢者の正明は、移動困難者の支援で運転ボランティアをしている。しかし家族からは免許返納を迫られていた。
「サファイアの海」 草川八重子
戦争で亡くなったモトシ叔父を知るのは私だけになった。しかし、部隊の戦没者名簿には叔父の名前がなかった……。
「一枚の名刺から」 工藤和雄
労働相談をしている私は、旅先の列車の中で暗い顔をしている若い女性のことが気になった。
「希望の言葉」 渡部 唯生
大学生の昴一は、子どもの頃から世界への違和感を抱いていた。今、「革命」という言葉に心惹かれるのだった。
「米寿のプロポーズ」 風見 梢太郎
おじいちゃんを支えて階段を上る庄吉さん。仲睦まじい二人を見て、ワシは羨ましかった。二人はゲイのカップルだった。
|