「コスモスの咲く頃に」 橋英男
広島の工業高校に入学したぼくは、病気のため一年留年した杉谷と親しくなった。杉谷の病気は貧血だというが……。
「三十三回忌」 苫孝二
小樽の定時制高校に入学した私は、清水と同級となった。清水にある頼み事をされたのだった。
「赤いオーバーコート」 梅崎萌子
農業を営み、出稼ぎに行かない千賀子の家は貧しかった。冬になってもマントを着ているのは千賀子だけだった。
「琵琶の葉茂る」 牛尾昭一
「琵琶の葉をいただけませんか」と一人の男が垣根の外から話しかけてきた。
「風の唄 天空の囁き」 本野 光記
僕は市の美術館に配属されていた。そこで亡き父が好きだった写真家の展示が開催されることになった。
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