「死者の温もり」　三富建一郎
　酒が入るとすぐに軍隊と話をする親父が死んだ。ドイツに定住している信二は、兄からの連絡を受けて故郷に戻った。

「苦渋の決断」　工藤和雄
　雪が激しく舞う日、母親は幼い私の前から消えていった。長く心に刻まれた謎だったが……。

「家鳴り」　井上通泰
　村で継母のハルが親しくしている菊江がなくなった。裕治は、葬儀のため一人暮らしのハルの元に帰った。

「やち坊主のうた」　高田三郎
　一人の無名の詩人が亡くなって、遺稿集が送られてきた。彼に初めて会ったのは北海道東部の農業試験場だった。