「葦の沈黙」 斎藤克己
管理教育が進む京都の高校。再任用の哲夫は、長崎の高校で激しくもがいていた十七歳の頃を思い出すのだった。
「霧 消」 青木資二
小学校の教師である私の職場にタブレットが一方的に導入された。パソコンに不案内な私は不安が募るのだった。
「おばあちゃんの五百円札」 木村緑夏
叔父の家で倒れた祖母が、八百屋をしている私の家で暮らすことになった。小学生の私と祖母との日々が始まった。
「不当判決」 鴨川耕作
社会保険庁から分限免職された私は、それを不服として同様の処分を受けた仲間と共に闘い始めたが……。
「のどかな食卓」 須藤みゆき
雑居ビルに間借りするようになって十年。コロナ禍で静まり返る街の中で、私の心は穏やかだった。
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