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      「私とウナリ神様と」 東喜啓 
       朝から土砂降りの雨。私が二人の幼子と部屋にいたら母親から電話が。ヒロコおばあから SOS だと言う。 
       
      「名久井岳の麓で」 内田美子 
       夫と営むまゆ子のりんご畑は八戸のはずれにある。近くにある使用済み核燃料の再処理工場が不安を募らせていた。 
       
      「鳴 石」 池戸豊次 
       二十一歳のテルは、郡上八幡の郊外にある燃料店で働いている。社長から民藝館で開かれる詩のサロンに誘われた。 
       
      「死亡告知欄」 荒川ヤ子 
       「赤旗」の死亡告知欄に賢治叔父の名前を見つけたのは、コロナ感染が広がっている六月十六日のことだった。 
       
       
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