「じいちゃんが死んだ」 松本 凜
高校一年の「俺」は九十四歳のじいちゃんの介護で大変だ。その介護は「俺」が大学生になっても続いていた。
「ブドウ団地」 遠山光子
ぶどう畑が何枚も続いている「ぶどう団地」で共産党の街頭宣伝をしている。そこで一人の男と出会ったが……。
「生まれは上野黒門町」 牧野三太
知子の父は木の化粧箱を作る職人。弟子の三郎は知子より二つ年上でいつも学校に弁当を届けてくれた。
「ばあちゃんの匂い」 森ゆみ子
千恵は中学生の心の相談員として働く臨時職員。彼女は、一人の女生徒とのことが気になっていた。
「ありがた山」 米田十二
戦争末期、「ありがたや」と唱えながら大量の石碑を運ぶ男たちがいた。その中の一人の男の目には絶望の色が濃かった。
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