「偽 物」 上村ユタカ
大学がオンライン授業になって、朗助は部屋にこもる生活になった。そのころから不思議なことが次々と……。
「ある夫婦の話」 松本たき子
保育園児を子どもにもつ恵は、夫と子育てをしながら多忙な日々を送っていたが、次第に夫に対して不公平感が募るのだった。
「コロナ禍前夜」 細野ひとふみ
家畜人工授精師の圭人は、酪農家たちと麻雀する中で、競争を迫られる酪農経営の現実が見えてくるのだった。
「飛ばない鳥」 秋吉 知弘
家に引きこもっている昌志は、昼の公園で、五、六歳の男児に声をかけられた。枝に引っかかった飛行機をとってくれと言うのだ。
「風渡る野に線路は続く」 空猫 時也
「僕」は、二十歳からの闘病生活が十年になろうとしていた。一年近くの入院が終わったとき、ぼんやりとした不安が……
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