2020年12月号 作品紹介

     
 

 

「荒草の道」 梁正志
 小学校四年生の正壽は妹の弘美と母敏子とともに家を出た。リヤカーに生活用具をのせていた。朝鮮人の父親とわかれたのだ。引っ越し先の開町アパートは近くに朝鮮人長屋や被差別部落があった。

「群青の彼方」 五十嵐淳
 安倍首相が突然一斉休校要請を出した。卒業式を間近に控えた陽一の中学校では驚きの声があがった。

「寸借詐欺」 平良春徳
 非正規一般労組の事務所に若い男が訪ねてきた。お金を貸して欲しいというのだ……。

「保健室風景」 林幸代
 小学校で養護教諭をしている私は、保健室登校をしてくる少女のことが気になっていた。

「マスク」 星川たか子
 捜査に手間取るということで、例外を除いてマスクが禁止された。花粉症の冴子は交番の警官に呼び止められた。

「闇」 勝手三郎
 視野や視力が急速に衰えだした私は、見知らぬ男から暴行を受けた。警察はその犯人の肩をもつようだった。

 
       

「2020年総目次」に戻る