「何もないこと、全てがあること」 中寛信
退職後、「私」は中国の学校で日本語教師となった。あるとき学生の前で、「若者たち」を歌ったのだった……。
「利休鼠の雨」 工藤勢津子
母の登志は九十三歳になる。娘の文緒は認知症の症状が出ている母と終焉の日まで心豊かに生きようとしている。
「子どもと共に生きる街」 松本喜久夫
山村信治が働くK小学校は、小中一貫校となり、学年主任でもある山村は多忙な日々が続いていた。
「湯沸かし器の青春」 瀬峰静弥
新入社員の笠松源太は、ガス会社の製造ラインで働いている。源太は隣の佐原に大卒というだけでいじめられていた。
「神楽」 池戸豊次
テルは、三年前から母の生まれ故郷である村の燃料店で働いている。村祭りの神楽の小鼓をやることになった。
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