2019年8月号 作品紹介

     
 
「こころの熾火」塚原理恵
 看護師だった野原チエは、八十七歳になる。ケアハウスで穏やかに生活する日々である。しかし、テレビ局から七十年前の戦争体験を取材させてほしいと電話があって心は落ち着かない。

「彩子の朝」篠田佳希
 有料老人ホームで働き出した彩子は、気難しい一人の入所者に介護を拒否されてしまう。

「白いスニーカー」石井斉
 精神病院のデイケアで横山智は鮎川久美と出会い、惹かれていく。

「巴波川」腹信雄
 信介は栃木市の巴波川沿いで育った。新聞の拡張員をしていた父親は自分で新聞社を立ち上げた。

「鬼押し出し」入江秀子
 親友の慎子が認知症と診断された。葉子は浅間山麓にある慎子夫婦の家を訪れた。

「三つ編みの記憶」須藤みゆき
 雑居ビルに暮らす「私」は、大家さんが救急車で運ばれたとの連絡を受け、病院にかけつけるが・・・。

「ある出発」風見梢太郎
 独身寮の裏手の雑木林に私は天野を呼び出した。仲間を密告したのではないかと、問いただすために。
 
       

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