「絹子の行方」倉園沙樹子 絹子はお気に入りのベッドに腰をかけ、ケアマネージャーの柳瀬さんを待っていた。 「山宣の湯飲み」成沢方記 黒い山門をくぐり参道から離れ、右手の緩い坂を少し登ると、めざす記念碑があった。 「オルモックの石」最上裕 両親の介護のためニケ月毎の帰省をすると、フィリピンで戦死した伯父の法事の話が持ち上がった。