「まんまんちゃん」秋吉知弘 「ここにはな、七十年以上ずーとばあさんの手の跡がこびりついとるんや」。長崎の出身だという橋本さんは重い口を開いた。
「寒晒し」池戸豊次康 直次は御簾のように視界を遮る大雪の中、漁師の後について丘を登るとそこに罠に足をとられた鹿を見た。
「連絡B」山本洋 洋一の勤める養護学校は重度の知的障害者を抱えた生徒が殆どだったが、治は自力通学をしていて言葉もはなすことができた。