2018年10月号 作品紹介

     

「Kさんのこと」青木陽子
 Kが九条の会に加わったのは私が会議を休み始めてからで、私は彼に会ったことがない。

「海の眺め」野里征彦
 町が寂れてきたのはいったい何時の頃からだったろうか。震災のずっと前からではなかったか。

「ソウルの人たち」渡部美次
 「K社委託品管理は一体どうなっている」いつもの部長とは違う雰囲気に、課員が一斉にその声の方を向いた。

「父の空咳」中島荒太
 朝、顏を洗いながら「おほん」と空咳をして、おやっと思った。咳の仕方が父と全く同じだったからだ。

「海と父と」進藤良次
 エリモ岬から十キロメートル程西に下がった所にある戸田村に住むのは殆どが昆布取り漁師だった。

「分かれ道」高橋英男
 叔父の葬儀に参加するため呉市の沖合にある島に帰った浩二は幼なじみの美和の家を訪ねるが…

 
       

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