「港宿」風見 梢太郎
父であったことがある泰蔵を北陸の町に訪ねた私は、就職する会社での生活に不安を抱えていた。
「光射す方へ」橘 あおい
看護学生の彩也加は、学園祭にうたごえサークルでうたう曲選びで先輩と意見があわない。
「希望」丹羽 あさみ
十八歳の誕生日の朝目が覚めて、私は見慣れない天井に寮の部屋替えをしたことを思い出した。
「白いセーラー服」島田 たろう
昭造が教科書を読むよう指名され立ち上ったその時、ドアをノックし事務員が顔を覗かせた。
「別離」稲沢 潤子
ここ数年、修子は義弟の朋幸の死がそう遠くないことばかりを考えていた。
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