「四歳の記憶と十二歳の記憶」とうてらお
十二歳が「伏せろ!」と土手にうつ伏した途端、砲弾がずずーんと頭上を突き進んでいった。
「お赤飯」大石敏和
真司が豆腐売りから帰ると、「あら、おはよう」と恵子のお母さんの志乃さんが声をかけてくれた。
「源流」矢嶋直武
右傾化の源流を遡るうちに、ぼくの目の前にあの頃の、あの風景が蘇ってきた。
「トレンチコート」渥美二郎
商店街のはずれに古着屋を見つけた。店の前に紺色のトレンチコートが飾られていた。
「明日も笑顔で」松本喜久夫
若葉は、絵本を読み聞かせていた娘が寝付くと、ダイニングテーブルでノートパソコンに向かった。
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