■ 2017年3月号 作品紹介 ■ |
「北横岳にて」青木陽子 治療が一段落し私の体力も戻ってきて、治癒したような気持ちで、夫は北横岳登山を提案したのだが…。 「この夏も歩く、歩き続ける」渥美二郎 昨夏はデモで歩いた。この夏はポケモンGOで歩いた。スマホの画面を通して、思わぬ世界が見えた。 「銃を持つ思想」斎藤克己 九歳になる長男のためにモデルガンを買った。長男のためというのは口実で私がほしかったのだ。 「彼岸花」浜比寸志 深沢悠介は、その夜寝つかれないまま病棟のベッドで廊下を歩く看護師の足音を聞いていた。 「谷間にて」大浦ふみ子 「こんなことを頼めるのは、きみしかいない」その台詞を発したのはトゥルカナのあの星空の下でだった。 |
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