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日本民主主義文学会第28回大会宣言 | |
日本民主主義文学会第二十八回大会は、日本の進路が問われる時期に開催されました。安倍首相は、天皇の代替わりを利用して「時代の変化」を演出し、震災や原発事故を過去のものとして切り捨てるとともに、それに乗じた憲法「改正」に執念を燃やし、自衛隊を憲法に位置づけることで日本を「海外で戦争をする国」にしようという画策を続けています。また、沖縄辺野古の基地建設に関して、選挙や住民投票により繰り返し示された県民の意思をふみにじり基地建設を強行していることをはじめとして、民主主義とは相いれないかたちで、悪政をすすめようとしています。 一方、憲法の改悪に反対する市民と野党の共闘も前進を見せていて、憲法をめぐる対決が、焦眉の課題としてあらわれています。 こうした時代の流れのなかで、わたしたちは、この二年間の文学創造と組織の問題についての議論を深め、日本文学全体の民主的な発展を推し進める立場から、より一層の前進をはかることを確かめ合いました。文学の創造を通して安倍内閣の悪政に抗し、社会と人間の真実を追求していくことによって、わたしたちの文学をより広いひとびとに届け、歴史の逆行を許さない方向に進めていきたいとねがっています。 そのためには、わたしたちは、文学創造の力量を高めるとともに、文学運動の組織的な前進もはからなければなりません。今大会でも、創造の問題とともに、組織的な課題についても率直な議論が交わされました。新しい支部の結成や、新人賞受賞者にみられる新しい書き手の登場などの前進面がみられる一方、いくつかの支部では活動が困難になっているなどの、解決すべき課題があります。全国の仲間とともに、かけがえのない文学運動を守り発展させていくために、自覚的な努力がいま求められています。多くの人たちと連帯して、わたしたちの文学を広く知ってもらうとともに、新しい書き手を生み出し、文学運動を継承し更に発展させていくことが急務です。 わたしたちは本大会の成果のもとに、すぐれた文学業績を生みだすとともに、文学運動に参加する人たちの輪を広げ、時代と人間を見据え、文学の明日を切り拓いていくことをここに決意するものです。 二〇一九年五月十二日
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