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【声明】 | |
郵便料金の大幅値上げに反対し、国民の立場に立った郵便事業の再構築を求める |
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日本郵便は郵便物数の減少や人件費の増加などで郵便事業が赤字になったとして、郵便料金の値上げを要望し、政府は省令改正が必要な定形の封書(二十五グラム以下)は八十四円から百十円に、はがきは六十三円から八十五円にと、十月から大幅な引き上げを行おうとしている。日本民主主義文学会は、さまざまな市民団体の活動の妨げとなり、国民の負担を増やす、郵便料金の大幅値上げに強く反対する。 二〇〇七年に行われた郵政三事業(郵便、貯金、簡易保険)の民営化は、郵貯事業の収益が中心だった郵便局の事業を分割すれば、郵便局の経営が成り立たなくなり、サービス低下になることが当初から危惧されていた。 この間、夜間仕分け、土曜日配達が廃止され、郵便の配達が従来より遅れるようになっている。こうしたサービス低下に今回の大幅値上げが加われば、さらに郵便扱い量の減少が予測される。今回の値上げの理由の一つに郵便扱い量の減少があげられていた。今回の値上げはその悪循環を加速させ、さらなる値上げを招くことになる。 今回の値上げ案のパブリックコメントを読むと、賃金の上昇のためにやむをえないとする意見とともに、コスト低減のために郵便局数やポストを減らすべきという意見も出ていた。今でさえ、近くに郵便局やポストがないという声があるのに、これ以上減少すると、郵便事業の崩壊に導きかねないものである。 郵便事業は、国民の自由な意思疎通にかかせないものであり、出版・表現の自由、文化の発展の基礎となるものである。私たち文学会のように、会費の中に郵便代金を含めている団体では、今回の値上げはその経営に直接的な打撃を与える。郵便事業の公共的性格を維持するために、郵政民営化の総括を踏まえた、根本的見直しを求めるものである。 二〇二四年三月二十四日
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