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【声明】 | |
政府と東京電力による原発汚染水の放出に断固抗議し、放出中止を求める。 |
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岸田政権は、福島第一原発にたまり続ける核燃料(デブリ)にふれた原発汚染水(ALPS処理水)について、八月二十二日、海洋放出することを正式に決めた。その決定にもとづき、東京電力は二十四日午後一時過ぎから、海洋放出を始めた。日本民主主義文学会は、この汚染水放出に断固抗議の意思を表明する。 二十一日に政府と全国漁業協同組合連合会(全漁連)が会談した際にも、全漁連の坂本雅信会長は「漁業者、国民の理解を得られない処理水の海洋放出に反対」を表明した。また、岸田首相は、二十日に福島県を視察したが、地元の漁業関係者に会わず、声を聞こうともしなかった。これは二〇一五年に政府と東京電力が福島県漁連と交わした「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」という約束をも反故にするものである。 東京電力は、海水で薄めた汚染水のトリチウム濃度が、基準の一リットルあたり一五〇〇ベクレルを下回ったことが確認されたとしているが、トリチウム以外の放射性物質の総量は、公表されておらず、その安全性には大きな疑問がある。また、汚染水等の処理方法については、技術者や研究者も参加する原子力市民委員会が、「大型タンクによる陸上での保管」及び「モルタル固化処分案」など、実績ある提案を経済産業省に提出していた。しかし、それらも十分な検討がされたとは言えない。 世論調査でも、政府の風評被害防止は「不十分」が七五%(朝日新聞)、「風評被害の懸念を持つ」が八八%、「政府の説明は不十分」が八一・九%(共同通信)にのぼっており、国民の多くが今回の放出には十分な説明がなく、風評被害が心配であると懸念を表明している。 汚染水の処理については、他の方法を検討するべきであり、福島県民・国民合意のない汚染水の放出中止を求める。 二〇二三年八月二十七日
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