【声明】

ウクライナからの一刻も早いロシア軍の撤退を求める


 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が一年を超えた。ロシアの野蛮な侵略戦争によって、今もウクライナでは無辜の市民の命が奪われ、多くの人々が国内外で苦しい難民生活を送っている。私たちは、あらためてウクライナ領土からのロシア軍の即時完全撤退と、和平実現のための各国による外交努力の強化を求めるものである。

 侵攻開始一周年にあたる二月二十四日には、国連総会緊急特別会合において、ロシア軍の即時撤退や国連憲章の原則に沿った永続的な和平の達成などを求める決議案が、百四十一カ国の圧倒的多数の賛成で採択された。反対はロシア、ベラルーシなど七カ国に過ぎない。国際社会が結束して国連憲章違反の侵略を断罪し、ロシアの責任を厳しく追及したものである。

 ウクライナでの戦争の背景には、ロシアも含めた包括的な平和の枠組み(全欧安全保障協力機構・OSCE)を生かせなかったことや、NATOの東方拡大に対するロシアの不信があった。日本の岸田政権はロシアの侵略を口実に、日米軍事同盟の強化と大軍拡の道に踏みだそうとしているが、軍事同盟依存は戦争の火種であり、軍事同盟と軍備増強から平和は作れないことこそ、ウクライナの事態からくみ取るべき教訓である。

 激しい弾圧の中でも侵略戦争に抗したプロレタリア文学運動の伝統を引き継ぐ私たち日本民主主義文学会は、日本にとって憲法九条をいかした非軍事的外交的努力こそ、東アジアで平和と安全を築くもっとも確かな道であることを訴える。

  二〇二三年三月十九日


 日本民主主義文学会第五回幹事会  

声明、アピール目次に戻る