臨時国会の冒頭解散という暴挙により、十月二十二日に行われた総選挙は議席の上では政権与党が三分の二をこえる多数を維持する結果となった。これは改憲と安保法制に賛成する希望の党の結成と民進党の解党的な合流により、安倍一強政治に抗して営々と築き上げてきた「市民と野党の共闘」を分断した結果であり、小選挙区制という非民主的な選挙制度がもたらしたものである。
一方、今回の選挙は、衆議院選挙として初めて市民と野党の共闘でたたかわれた。市民連合を介在して、新たに設立された立憲民主党と、共産党、社民党との間で政策合意が結ばれ、多くの小選挙区で野党勢力が一本化してたたかう態勢をつくりあげ、共闘勢力全体としては議席を伸ばすことができた。この道こそが安倍暴走政治を終わらせるたしかな力となる。
国会の中では改憲派が多数を占めているが、国民の世論とは異なっている。安倍政権は数々の疑惑に答えないばかりか、野党の質問時間削減まで画策し、さらには憲法改悪に向けて動き出そうとしている。
安倍政権が狙う9条3項や緊急事態条項を加えようとする改憲は、日本国憲法の平和的民主的原則を蹂躙するものであり、その国会発議をなんとしても阻止しなければならない。そのためには、全国市民アクションが提起した「安倍9条改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名」(3000万人署名)に、私たち日本民主主義文学会としても積極的に取り組んでいく。国民の中に改憲反対の確固とした多数派をつくりだそう。その軸となる市民と野党の共闘の発展を望みたい。文学者の中にも、今日の情勢に危機感をもつ人は少なくない。全国規模の取り組みはもちろん、それぞれの地域で文学者との共同を進めたい。
文学が花開くためには平和とそして言論の自由は必須のものである。安倍政権の改憲を打ち破るために、この課題で一致するすべての政党・団体・個人の結集を呼びかけるものである。
2017年12月10日
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