【声明】
安倍政権の集団的自衛権行使容認の閣議決定の策動に断固反対する
 
 安倍政権は、集団的自衛権の行使容認の閣議決定を、国民の反対の声を無視して強行しようとしています。「憲法九条のもとでは集団的自衛権を行使してはならない」という政府見解は、戦後半世紀にわたって、国会での論戦をへて、政府見解として定着し、確定してきたものです。この半世紀にわたる憲法解釈を覆し、「海外で戦争する国」への大転換を、国民多数の声に耳を傾けず、一内閣の閣議決定で行うというのは常軌を逸した乱暴といっても言い過ぎではありません。
 これは憲法とともに歩んできた日本をクーデター的に変えようというものです。島田雅彦は、小説「CAの受難」(『新潮』6月号)で、機長がコックピットにとじこもり自ら狂気のハイジャックをし、「中韓の横暴は私が許さない」と戦争に突入する姿を描いていますが、これは安倍首相の暴走する姿の暗喩ともいっていいものです。
 安倍政権は、@憲法九条を改変して海外で戦闘行動ができるようにする、A自衛隊を海外派兵の軍隊へと大改造する、B国民を戦争に動員するために秘密保護法、教育制度の改悪、メディアへの権力的介入を進める―安倍政権はこの三つの柱で暴走を開始しています。これらはあからさまな軍国主義復活への策動にほかなりません。いま日本はきわめて危険な曲がり角に立たされています。この曲がり角を曲がらせてはいけません。「海外で戦争する国」になったあと、どのようなことが招来するか。私たちはそこに強い危惧を覚えます。
 しかしいま、この政権の暴走に対して、多くの国民が、若者が、かつてない広がりで平和の声を上げています。日本の平和と民主主義をもとめる日本民主主義文学会は、今の事態を憂える多くの文学者、国民とともに、安倍政権が進める集団的自衛権の行使容認に断固反対することを、ここに表明します。

  2014年6月22日
日本民主主義文学会第3回幹事会  

声明、アピール目次に戻る