【声明】
政府は総力をあげて福島第一原発の汚染水対策をとれ
 
 福島第一原発の放射能汚染水は、過酷事故以来海に流れ続け環境を汚染しています。貯蔵タンクからの漏洩だけでなく、建屋に溜まった汚染水が直接地下水に接している可能性が強く指摘されています。
そもそも、汚染水の現状がどうなっているのか、どこが壊れ、汚染水がどのように流れだしているのか、今後どのような危険性あるのか。その把握、調査が東電まかせであり、恣意的な発表により危険な実態が意図的に隠され続けています。最も人体に有害な放射性物質プルトニウムは汚染水の中に大量に含まれているはずですが、測定結果も一切公表されず、闇に包まれたままです。
 政府と東電が、汚染された水を大量に海に流すことを企図していることは明らかです。原子力規制委員長がトリチウムを含む水を海に流すことを肯定し、理解をもとめる発言を繰り返していますが、絶対に許してはならない事です。ALPS(多核種除去設備)は十一月にようやく三系統が稼動を開始したと報道されていますが、その動きはなお不安定であり、高濃度汚染水は今も増え続けています。このままでは、貯蔵タンクの置場がなくなり、東電は、トリチウムだけでなく様々な核種を含む高度汚染水を直接海に流すこともやりかねません。汚染水の処理がこのように危機的な状況にあるさなかに、政府、財界が一体のとなって原発再稼動を図り、海外に原発を売り込むなどとんでもないことです。
 汚染水処理の遅れの根本原因は、処理を東電に任せているからです。東電は経営を優先させ、金も人も惜しんでいます。東電は、すでに経営が破綻しており、公的資金の投入により辛うじて経営を成り立たせています。これは経営陣、株主、メガバンクなど東電の経営に責任を負うべき人々を免罪する処置です。
 一刻も早く東電を破たん処理し、国が直接汚染水処理に責任を持つ体制にすべきです。
 政府は先頭に立って実態を正確に公表し、放射能汚染水の根本的対策をすすめることによって、国民および全世界の人々の健康と安全を守るよう強く要請します。

   2013年12月1日
日本民主主義文学会第二回幹事会  

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