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【声明】 | |
消費税増税に反対する |
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民主党は「政権交代」という、およそ政策と無関係のスローガンで政権を奪取して三年あまりが経過した。しかしこの三年間は、国民が彼らに託した政策と希望をことごとく裏切った歴史でもあった。あまつさえ消費税増税については現状維持を明言していたにもかかわらず、自公民の三党合意で強行してしまった。一九九七年の橋本内閣による三パーセントから五パーセントへの消費税引き上げが、ようやく上向いていた日本経済をどん底に突き落としたことを、私たちは忘れてはいない。その後の四年間に国と地方の借金は、減るどころか逆に二百兆円も膨らんだのである。現在の大不況のもとでの消費税の増税は、まさしく日本経済の底を抜いてしまう歴史的愚挙である。 消費税は、3.11の被災者にも生活保護受給者にも一律にかかる情け容赦ない税金であり、一方では利潤、利子、配当などの「資本所得」にはまったく課税されないという、まったく不当で不公平な税制である。消費税増税は、私たちの文学活動の柱である「民主文学」の発行の維持をも著しく困難なものにするだろう。増税分をそのまま定価にスライドすれば、現在九七0円の定価は1000円を優に超えてしまう。現状を維持するための私たちの日々の努力は、一撃で吹き飛ばされる可能性がある。このことはひとり「民主文学」に止まらない。あらゆる文化芸術団体の活動にとって、消費税増税は死活にかかわる問題である。 大江健三郎は夏の「さよなら原発十万人集会」(代々木公園)において、「私たちは侮辱の中で生きている」と述べた。七百万を超える反原発署名を政府に提出した翌週に、大飯原発再稼働を決めたことに対する憤りがそこには籠められていた。しかし現在私たち日本国民が受けている「侮辱」はこれに止まらない。消費税増税はこの国の「格差」を堪えがたいまでに拡大し、いっそう多くの貧困層を「健康で文化的な最低限度の生活」の埒外にたたき落としていくだろう。一人一人の尊厳に立脚しない政治、国民の生活と現実を見ない政治は、かつて日本国民を戦争と侵略に導いたものと同質である。 私たち日本民主主義文学会は、満身の怒りをこめて消費税増税に反対する。 2012年12月2日
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