【声明】

総選挙にあたって――反動的主張の跋扈を座視せず、国民の声が届く国会に

 今回の全国幹事会は、二日後に総選挙の公示をひかえた時期にひらかれました。二大政党制が崩れ去り、いびつな多党化現象が私たちの前に現出し、日本の針路をめぐり激しい政治戦が繰り広げられています。私たちは昨年来広がってきた国民の運動に注目します。原発ゼロを願う首相官邸前の行動は数万から十万人規模へと拡大し、原発にたいする怒りは広がり続けています。オスプレイ配備問題や連続する米兵の事件は、その背景にある安保条約の存在を浮き彫りにし、基地の存続そのものの是非を問う「オール沖縄」の運動へと広がっています。「例外なき関税ゼロ」を大原則にしているTPPは、アメリカいいなりに経済主権がうばわれるもので、農林水産、医療、食品、消費者など多分野の団体が、断固とした反対の意思表明をおこなっています。
 こうした政治の矛盾の深まりの中で、これを憲法改悪と民主主義破壊の方向で打開しようとする流れが台頭していることを私たちは危惧します。民主党の自民党化がすすみ、自民党は憲法9条の改悪、「国防軍」の創設を訴えるなどいっそうの右傾化をつよめ、石原慎太郎・橋下徹の日本維新の会も、改憲ばかりか核武装を公言するまでになっています。私たちはいま、憲法を改悪する動きを絶対に認めるわけにはいきません。
 3・11を体験した国民の多くは、日本の国のありようを直視し、自己の人生を深く省み、現実の矛盾に目をそむけず声をあげていこうと考えました。原発反対の声の広がりはその一つのあらわれです。今度の総選挙で憲法改悪を主張する勢力の台頭を許さず、原発をなくし、消費税増税実施阻止、TPP反対などの声を国会に届けることができるかどうかは、3・11以降の私たち国民が試されている問題でもあります。民主主義をなによりも運動の要としている私たちは、反動的主張の跋扈をよしとしません。原発ゼロ、TPP反対、消費税増税実施阻止、憲法を守ることなど国民の良識が通る政治の実現のために、多くの人々が懸命な選択をすることを呼びかけたいと思います。

    2012年12月2日
    
日本民主主義文学会第四回幹事会  

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