【声明】

普天間基地の辺野古移設決定に抗議し、無条件撤去を求める


 去る五月二十八日、日米両政府は米軍海兵隊普天間基地の移設先として「辺野古崎地区及びこれに隣接する水域」とする共同発表を行った。
 鳩山前首相は、沖縄県民が痛切に求める県外移設の願いを踏みにじり、「国外、最低でも県外」との公約を投げ捨てた。とりわけ問題なのは、「国外移設」を、正面からアメリカに主張することもなく、アメリカの圧力に屈して、公約を反故にし一方的結論を押しつけようとしたことである。海兵隊訓練施設の徳之島移設を突如持ち出したこととあわせ、これらの言動は一国の首相、政治家としては断じて許しがたい暴挙である。
 そもそも、普天間基地は、沖縄戦の際住民を収容所に入れている間に住民の土地を強奪して建設したものであり、本来、謝罪のうえ無条件で返還されるのが筋である。
 六月二日、普天間基地をめぐる公約違反と国民・沖縄県民に対する不誠実な態度に対する国民の大きな怒りの前に鳩山首相は退陣を余儀なくされた。六月四日には菅直人氏が後継の首相に指名されたが、普天間基地移設は日米合意の線に沿って取り組むと言明していることは看過できない。「基地撤去」という国民、沖縄県民の願いに背き続ける限り、国民の怒りは止まず、またこの問題の正しい解決はありえないことは明白である。
 私たちは、日米両政府による普天間基地の辺野古移設の決定に断固反対し、その破棄と基地の無条件撤去を強く求めるものである。

   二〇一〇年六月六日
日本民主主義文学会第三回幹事会  


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