【声明】
ソマリア沖への自衛隊派兵に抗議し、

「海賊対処」新法案に反対する
 
  麻生政権は去る十四日、「海賊対策」の名目でアフリカ・ソマリア沖に派兵する、海上自衛隊の護衛艦を出航させた。さらに政府・与党は、武器使用の基準拡大や外国船籍の護衛も盛り込んだ「海賊対処」新法案を閣議決定し、今国会で成立させようとしている。
 本派兵について政府は「現行自衛隊法にもとづく海上警備行動」としているが、世界のどこにでも自衛隊を派兵するという行為は、日本国憲法の平和原則に根本からそむくのみならず、日本近海を想定し制定された現行法を根拠にしたとしても、とうてい合理化できるものではない。銃撃戦の危険も大きいこのような派兵をなし崩しに強行したことに、私たちは怒りをもって抗議する。
 また、「海賊対処」新法案については、自民、民主がめざす、自衛隊の海外派兵の「恒久法」への突破口として、きわめて危険な意味を持つことを憂慮せざるをえない。私たちは、恒久的な海外派兵への道をひらく恐れのある、新法案に強く反対する。
 問題の根本的解決のためには、ソマリアの内戦終結をはじめ、崩壊したソマリア国家とこの地域を、政治的・経済的に安定させるための国際的な協力が不可欠と考える。私たちは、日本政府に対して、こうした見地からの積極的な外交努力を求めるものである。

     2009年3月22日
日本民主主義文学会幹事会  


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