【決議】 国民の命と民主主義を守るため菅自公政権を終わらせよう

 新型コロナウイルスの猛威は、国内で最初の感染者が確認されて以来、一年四ヶ月たつが、いまだ収束の見通しが立たない。昨年九月に発足した菅義偉政権は、PCR検査の抜本的拡大、医療体制の拡充に背を向け、GoToトラベル・イート事業に固執するなど、アクセルとブレーキを同時に踏むような逆行政治を繰り返してきた。
 こうしたなか、菅政権は依然、東京オリンピック・パラリンピックの開催を強行しようとしている。国民に自粛・休業を強いて「人流を止める」としているときに、非常識な開催というだけではない。両大会開催のために看護師・医師を数百人体制で動員しようとしており、全国の新型コロナの治療やワクチン接種に大きな支障をもたらすことは明白である。世論調査でも六割が中止を求めている。私たちは東京オリンピック・パラリンピックを中止し、新型コロナ対策に集中することを強く求めるものである。
 新型コロナ対策の逆行ぶりは、憲法二五条が定めた生存権の保障と国の社会保障・公衆衛生増進義務に反するものである。菅政権の「壊憲」政治はコロナ問題だけではない。日本学術会議の会員任命拒否は憲法二三条の定める学問の自由の蹂躙であり、首相の長男も関わった東北新社問題など数々の汚職・腐敗や政治の私物化は民主主義の破壊そのものである。
 さらに菅首相は「憲法改正に関する議論を進める最初の一歩」として、国民投票法改定案を衆院で可決させ、参院に送った。自民党は国民投票法の改定を、九条への自衛隊明記や緊急事態条項創設など安倍前政権下での自民党「改憲四項目」の議論を進める「呼び水」と位置付けている。
 パンデミックのただなかにある今、自民・公明による菅政権がこれ以上続くことは、国民の命が奪われ、日本の民主主義が壊されていく重大問題である。
 四月にたたかわれた補選や再選挙の国政三選挙は、いずれも市民と野党の共闘が勝利し自民党が三連敗した。菅政権に対する世論の審判は明白である。
 衆議院の任期満了の十月までには必ず総選挙がある。きたる総選挙で自公政権を必ず終わらせるため、私たち日本民主主義文学会は市民と野党の共闘の一翼を担って奮闘することをここに誓う。
 
  二〇二一年五月十六日

日本民主主義文学会第二十九回大会  


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