| ◆ 東北文学研究集会開催in松島 ◆ |
「2025東北文学研究集会in松島」の成功を共に喜ぶものです。
松島集会は三月二十日(木・祝)・二十一日(金)松島温泉ホテル大松荘(宮城県松島町)にて開催されました。民主文学会第三十回大会期の最後を締めくくる研究集会でもありました。
二十日は浅尾大輔氏(日本民主主義文学会幹事)による記念講演と各支部作品の合評会(第一部)、二十一日は合評会(第二部)が持たれました。
浅尾氏の記念講演「みんなでスキルアップ 小林多喜二の作品から学ぶ構成と描写の力〜『立春大吉』創作秘話〜」はとても好評でした。会場では『立春大吉』もたくさん普及。浅尾さんは多喜二の『蟹工船』『東倶知安行』から小説の構想とは何か、描写とは何かを軸に解明し、後半は『立春大吉』創作秘話を興味深く話されました。
参加者は、弘前・盛岡・気仙・秋田・宮城・福島中通りの六支部から会員二十二名、他に記念講演の受講者十三名、講師の浅尾大輔さんを含めると三十六名の参加者は見事です。
青森県南(準)、秋田県南、山形、福島・会津、福島・いわきの各支部からは諸般の事情で参加が得られませんでしたが、現地、宮城支部は独自のチラシを作成し、「しんぶん赤旗」への折り込みなどの宣伝に努める中で多数の参加者を得ました。発言の中で、『民主文学』誌定期読者の女性の方から文学会加盟(準会員)の意思の表明があり、本当に励まされました。
今回の研究集会は昨年秋の解散総選挙と重なったことや、宮城支部の中心メンバーに健康上の困難が生まれ、それを克服しての取り組みでした。宮城支部金田事務局長・松井秀明事務局次長は東北の各支部とも連絡を密に、文学会事務局や組織部にも励まされながら、松島集会成功の可能性を探った結果と思います。
今秋には次回開催地として弘前支部が担当の決意を持ち帰っています。東北文学研究集会は歴史的に持ち回りの開催システムを崩さずに文学運動を発展させてきました。実りの秋、弘前での豊かな再会を祈っています。
(工藤一紘)
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| ◆ 関西文学研究集会 ◆ |
十一月二日、第四十五回民主文学関西研究集会が大阪市内で開かれ、約四十人が参加しました。今年は民主文学会創立六〇年、平和と戦争の岐路にたついま文学に何ができるかと問いかけての記念の集会になりました。詩の朗読、文学会幹事の松本喜久夫さんが開会の挨拶を述べ、午前は、作家の草薙秀一さんが「私の創作方法─『この国は誰のもの』から」のテーマで講演しました。
四十八年前に横浜で起きた米軍機墜落の事件に材を取り、昨年『民主文学』誌で連載した自身の小説「この国はだれのもの」を書いた動機について、アメリカにどこまでも追随するこの国の政治への怒りを語りました。小説にするために徹底した資料集め・調査に歳月をかけ、許せないという思いを再構成して描いた、と述べ、また生きる価値とは何か、人間の真実とは、という問いが小説の原点であり、原動力になっていると語りました。
質疑の時間でさらに深め、午後からは四つの分科会に分かれて、関西各支部から出された小説、評論十二編の合評を行いました。新人賞に応募すると三人が名乗りを上げた分科会もありました。
まとめの全体会では、各分科会が合評内容の報告をしました。会員・読者を増やそう、との文学会組織部からの訴えや、若い世代の文学カフェ(十二月六日)への案内がありました。
「書くことへの情熱が伝わってきました」、「作品に込める作家の思いに学んだ」など多くの感想が寄せられました。
(川本幹子)
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| ◆ 四国文学研究集会 ◆ |
第四十八回四国文学研究集会は、十一月十五日、十六日の二日間、講師に仙洞田一彦文学会常任幹事を迎え、愛媛県松山市において開催されました。研究集会には民主文学えひめの会を中心に四国の他支部から総勢十九名の文学仲間が参加しました。
十五日には仙洞田さんによる「『私の小説作法』―『小説作法』(民主文学会発行)にそって」と題しての講演、講演会はオープン参加で研究集会の参加者と合わせて三十一名の参加となりました。
四国文学研究集会の愛媛県松山市での開催はコロナで三年間の中断があり、二〇一九年以来六年ぶりの開催となりました。講演会はオープン企画で広く参加をよびかけました。
仙洞田さんは講演で「人はなぜ書くのか。話す。聞く。小説に置き換えると、書く、読むになるのでは」「私は話すのが苦手であり、話したい、伝えたい欲求がある。しゃべる代わりに書いている」「知らない人にもより詳細に伝えるために小説作法が必要。微妙な感覚、感動。複雑な状況」などについて講演されました。
研究集会における作品合評会は二日間に亘ってえひめの会三作品、高知支部一作品の四作品について行われました。どの作品もいろいろな角度から出された意見等から、今後の創作でおいて大いに参考になるものでした。
二日目は合評会の後、組織問題について各県の現状が報告され、諸般の事情で愛媛県以外の参加者が少なかったことは今後の検討課題として残りました。高齢化や、各県支部の運営上の問題についても意見交換を行いました。
研究集会では『小説作法』(民主文学会発行)を十五冊普及、『民主文学』誌の定期読者も増えました。
(鴨川耕作)
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| ◆ 第24回全道研究集会 ◆ |
冬囲いがすっかり終わった大通公園をながめつつ向かった先には、あたたかい笑顔があった。十一月十六日、第24回北海道研究集会が札幌市内で開催され、各地から十八名が参加した。東京から常任幹事の風見梢太郎氏を招き講演いただき、『奔流』32号掲載の作品を合評した。この一年間に鬼籍に入った方をしのびつつ旧交をあたためるとともに、新しく入会した三名の仲間と顔を合わせ交流した。
講演に先立ち、常任幹事会「組織部からの訴え」を読み行動提起があった。風見氏から「小説を書く上で一番大切なこと―支部誌・同人誌委員、編集委員の経験から」と題してのお話は、初心者の私にとって今後の糧となる豊かな内容であった。また「高齢のため支部誌に投稿するので精いっぱい」という声があり『民主文学』への投稿が減少している。そこで、積極的に支部誌の作品をみんなで検討して推薦しようと提案があった。
その後の作品合評はおおいにもりあがった。刺青のお兄さんとの数奇な体験と釧路市の戦後復興を描く石川節子「シシャモ御殿」、戦後樺太から引き揚げ浜頓別町で酪農を継承する家族にウクライナ侵攻がもたらす危機を見据える松本ひろ「つなぐ」、被爆八十年に未来への希望を模索し「カロリナス」を記す室崎和佳子「カロリナスの祈り〈外伝〉」、老いというテーマをやさしい眼差しで描く柏原竜「秋の夕焼け」、世界を駆けめぐるユーモラスな旅とパートナーへの想いを綴る畠山益枝「旅の味」、いずれも個性あふれる作品に作者自身のお話も聞くことができ楽しく学びも多かった。この機会に改めて感謝している。
最後に風見氏より「民主主義文学運動の先輩たちは、一般にある同人誌の集まりと違い、足を引っ張りあったり競いあうことはしない。苦しんで生み出した書き手としての宝物を惜しげもなく後へ続く人たちに教え、若手を育てる。ぜひ、ともに支えあって小説に挑戦しよう」との熱い言葉で締めくくられた。
準備運営された諸氏に心から感謝し報告とする。
(宮内文恵)
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| ◆ 中国文学研究集会 ◆ |
中国地区文学研究集会を十一月十五日から十六日までの日程で山口市湯田温泉で開催しました。当初参加を予定していたが、家族の看病で参加できなくなったり、本人が急逝してしまって、参加者が当初予定より減ったのでした。そんな中で娘の看病で参加できないと言っていた人が、快方に向かっているから参加することになり準備段階でドラマが繰り広げられました。
講師の宮本阿伎氏は中国で毛沢東が主導し文化大革命を起こし、共鳴した盲従分子らは山口で策動する、そのときのバス会社の労働者たちの闘いと成長する人間ドラマを描いた吉開那津子の「前夜」をテーマに記念講演で熱く語られました。実際全国から多くの仲間が応援に駆けつけてくれ、その中の一人に宮本阿伎氏の父親がいたのでした。また当時を知る人たちも集まり、バラバラであったが導かれるように集い一つの糸に繋がり懐旧の情を呼び起こした集会になりました。
一日目は講演後の二時間、二日目は正午まで、岡山支部、山口支部、呉支部の七作品を合評し、初日夜の懇親会では新人賞佳作になった石崎徹「へなちょこ会長の一〇〇日間」の話で盛り上がりましたが、参加者の一人が山口県出身のプロレタリア作家中本たか子の研究者で、宮本氏から『民主文学』への寄稿を促し、会員になり大いに活躍してもらいたいと話してもらいました。
(水野良正)
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| ◆ 東海地方文学研究集会 ◆ |
第三十七回東海地方文学研究集会が十一月三十日(日)から十二月一日(月)まで愛知県のすいとぴあ江南で開かれました。参加は浜松、名古屋、中遠の三支部と個人参加、講師含め合計十八名でした。対面での開催は六年ぶりです。初参加が四人、四十代の人が二人参加されました。
講師は岩渕剛氏。講演内容は、「民主主義文学運動の魅力」でした。岩渕さんが民主主義文学運動に参加されるようになった経緯が、時代背景とともに語られました。『民主文学』に掲載されるにあたり、ボツや書き直しの経験があったことも真摯に語られ、その人柄に親近感がわきました。また、勇気をもらえた気もします。最後に『民主文学』をどのような雑誌にしていきたいかの問いに、老若男女、広がりのある雑誌にしたいと言われたのが印象的でした。
合評作品は、@飯降かず「わたしと夫と先生と」(名古屋支部)報告は岩田登史光、A北岡伸之「お経」(中遠支部)報告は和泉次郎、B岩田登史光「休日出勤」(中遠支部)報告は石川久、C松本凜「ユキ3」(名古屋支部)報告は鬼頭洋一の四作品。参加者全員が活発に発言しました。自分は知っていても読者は知らないことばをどう表現するかなど今後に生かせるヒントがありました。最後に岩渕さんから総評、及び文学会から組織拡大の呼びかけがあり閉会しました。
(松本 凜)
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| ◆ 埼玉文学研究集会30周年記念集会 ◆ |
埼玉県内四支部(県南、東部、西部、西北部)が毎年合同で行っている文学研究集会が三十回を迎えたことを記念し、十一月九日、記念集会がさいたま市浦和区内で行われ、一般参加者二十二名を含め、合計四十名が参加した。
はじめに主催者を代表して、井辺一平実行委員長(県南)から、「埼玉の文学研究集会は都道府県では最も古く、今年三十回を迎えます。若い世代にも継承して欲しいという願いを込めて、記念講演は岩崎明日香さんにお願いしました」と挨拶があった。
岩崎さんには「失われた三十年をのりこえて―若い世代とともに連帯の文学を―」と題してレジュメに沿って講演していただきました。
□民主主義文学運動との出合い
この中で岩崎さんは百合子の「書けばこそ在る」という言葉に出合い、自らも民主文学に出合って、小説を書かなくてはと決意したことが紹介された。
□新自由主義に変わる人間の尊厳が大切にされる社会を求めて
この中で一般文壇の作家、崔実(チェシル)、村山由佳、新庄耕、姫野カオルコ、プレイディみかこ、中島京子、平野啓一郎などの作品を紹介し民主主義文学がめざしている人間らしい生き方、それを阻むものに切り込むという方向性は同じであることを示し参加者に刺激を与えた。
□いま戦前・戦後の文学運動の先輩たちから学びたいこと
この中で、百合子の講演録や小説「道標」から、「時間は人間成長の箱である」など、今も新たな発見があることを紹介した。
講演のあと七名の方から、性暴力、排外主義、厳しい学生生活、生きづらい社会などについて活発な質問や感想などが出された。
このあと主催者側から五名の特別報告があった。
◇「埼玉支部連絡会のあゆみ」(東部支部瀬戸井誠)◇「『女性のひろば』への連載体験談」(東部支部塚原理恵)◇「支部誌編集体験談」(東部支部大石敏和)◇「Webを活用した創作体験談」(県南支部藤倉崇晃)◇「民主文学会からの訴え」(西部支部川村俊雄)
この日多くの参加者が、岩崎さんから刺激的な発見や活力を受けたことでしょう。新たな準会員や読者獲得はありませんでしたが、何人かの対象者ができたことを成果として引き続き読者、準会員拡大などにつないでいくことを申し合わせました。
(古澤英二)
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| ◆ 北信越民主文学研究集会in長野 ◆ |
二〇二五年十一月八、九日に、紅葉の真っ盛りの長野市の山の神温泉に三十人近い参加者で、北信越の研究集会が開かれた。
講師に文学会副会長の乙部宗徳氏お迎えして、「文学の力」と題して講演をしていただいた。乙部氏は、文学を癒やし慰めととらえるのは、現状の辛さや困難を諦め、実は社会体制を裏側から支えることに手を貸すことになる。作品を例に、今の社会をどうしたいのかを作品の中で問い、読者に現状を打開する思いを起こさせることだと語ってくださった。
続いて合評会にも乙部氏が各作品について分析、感想を文章で寄せてくださった。
一日目の合評作品は、原健一「百年の銃声」(松本支部)、青澤直樹「山の家(三部)」(富山支部)、清水潤「ある青年の留」(千曲支部)。
二日目は、高瀬凜「中村泰行『鴎外の実像・小説『半日』を通して』」(千曲支部)(上田支部)、小宮山京子「ちちぱっは、いややー!」(けんろく支部)、五十嵐淳「風に立つポプラ」(新潟支部)。
最後に各支部の取り組みを紹介し合った。
午後は、希望者で、松代地下壕と祈念館、大島博光記念館の見学をした。
(中山けさい)
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